行政書士になるには
行政書士大江亜里朱の開業秘話です。

【1】資格を取る

私が行政書士の資格を取ろうと思ったきっかけは、妊娠でした。
意外かと思われるかもしれませんが、事実です。
子供ができてとても嬉しかったと同時に、子供を養っていかなくてはという責任感がわいてきました。
その時私はしがない会社員でしたが、妊娠を機会に仕事について考えるようになりました。
そして、子供を養うことができ、子供に誇れる、子供のお手本になるような仕事をしたいと思ったのです。
さらに、子供となるべく一緒にいられるように、自分でスケジュール管理ができ、
夫に万が一のことがあっても子供を養えるような仕事、と考えていくと、このような結論が出ました。

「何か資格を取ろう」

ではどの資格を取ろうか、これは悩みました。
弁護士、税理士、弁理士、司法書士、などなど魅力的な資格は多いです。
しかし、資格取得後に実務経験がなくてもすぐに独立できる資格、そして試験が難しすぎないもの、
ということで、社会保険労務士と、行政書士が候補になりました。
しかし、出産予定日が7月だったため、7月試験の社会保険労務士は受験不可能なので、
行政書士の資格を取ることに決めました。
しかし、今になってみると、行政書士ほど魅力的な資格はありません。
大変幅広い分野での活躍が期待できる上に、女性に向いている仕事だと思います。
結婚して妊娠したら育児に専念するために仕事を辞めようと考える女性は多いです。
しかし、私はそれとは全く反対のことを考えたのです。
ただ単に夫の給料だけでやっていく自信がなかっただけですが。。。




【2】試験勉強

さて、行政書士の試験というのは、10月後半の日曜日に行われます。
3月頃から試験勉強をはじめました。仕事もしていたし、ハラボテで通学するのは
しんどいので、通信教育にしました。
私が受験した頃の行政書士試験は、一般教養と、法令科目が択一式、そして
論文という構成でした。私は修士論文を書いたことがある上に、理屈っぽい性格のせいか
論文は得意で、大した対策はしませんでした。一般教養も、学生時代の知識を呼び起こせば
何とかなるかな、という感じでした。問題は法令科目です。
法学部でもないし、法律に対しては全く無知で、ゼロからのスタートでした。
法律用語というのは難解で、条文が満足に読めません。とくに民法は文語体で
何をいいたいんだかわかりません。勉強仲間もいないので困ったこともありました。
しかし、産休に入ってゆっくり勉強するようになってから、だんだん理解できるようになりました。
結局ただ単に暗記するというよりは自分が納得するまで理解すれば何とかなるように思います。


【3】行政書士試験

そして、いよいよ試験の日となりました。
産後はなかなか勉強する時間がとれなかったのですが、とくに試験前夜は最悪でした。
子供ってなかなか敏感で、親が緊張していると子供も何かあるなと思って不安になるようです。
普段は夜泣きなどしない子だったのに、なぜか試験前夜は泣きやまず、
睡眠時間3時間足らずで試験に臨んでしまいました。試験中も眠くなってしまい、結果は不合格。
結果を知ってから1ヶ月くらいは、もうやめようかと思いました。
試験は1年に1回しかないので、また勉強しても試験の前の日に泣かれたらやだな〜と思ったのです。
しかし、これまでの勉強が無駄になるのも惜しいし、合格できないのもくやしいし、
もう一度やってみようと思いました。もう一度勉強をし直すと、子供の問題ではなく
やはり自分の理解不足が問題だったことが自覚できました。
1年目は問題演習をあまりしていなかったので、たくさん問題を解くようにしました。
さらに子供が保育園に入園し、人見知りをあまりしなくなり、私がいなくても
何時間かは大丈夫になってきたので、なんとかなるかもと思いました。
そんなこんなで、2回目の受験です。
前の日はあまり勉強をせず、子供と一緒に外で思い切り遊んでやると、疲れたようで早く寝ました。
これはいい方法でした。そして試験当日は、まあまあの体調で望むことができました。
さらに試験中にも、これはいけるんじゃないか、という手応えを感じました。
とくに論文は、これが出るといいなあ、と予想していた問題でした。
結果は、見事合格。


【4】開業への決意

さて、行政書士試験合格の知らせを受けた時は、私は会社員でした。
いきなり会社を辞めるわけにも行かないし、毎月ある程度の収入は必要だし、
すぐに開業できるとは思ってはいませんでした。
ところが、調べたところ、開業するために実務経験は不要だし、
なんと会社員でも行政書士会に登録さえすれば、開業というか、
行政書士の仕事はできるということが分かったのです。
そこで、とりあえず会社に勤めながら、行政書士会に登録し、
行政書士の仕事が増えてきて毎月ある程度の収入が見込めるようになったら
専業の行政書士になればいいかな、と考えました。
しかし、問題が一つありました。それは、行政書士会に入会、登録するのに、
23万円もかかる(東京都の場合)ということでした。
まあ、会社やお店を始めるのにはケタ違いのお金がかかるので、格安だといえば
そうなんですが、その頃の私には23万円は高いという印象しかありませんでした。
そこで、開業はボーナスが入ってからということになりました。。。

ボーナスまでの間に、開業準備をはじめることにしました。
さて、行政書士の仕事といっても、全く実感がわかず、何をしていいのかわかりません。
どうしようかと思っていたところ、たまたま会社の顧問の税理士の先生が、
行政書士のお知り合いがいるというので、頼んで紹介してもらうことになりました。
実際に仕事をしている行政書士の先生にあってお話を聞くうちに、コレは本当に
おもしろい仕事だな、やってみたいな、自分にもできそうだな、
いや、必ずやってやるぞと思えてきたのです。
自分に足りないものは、実務経験と営業だということがわかったので
(はっきりいって足りないものだらけ、あるのはやる気だけ)
実務経験については、行政書士の実務の学校に通学することにし、
営業に関しては、とにかくいろいろな人にあって名刺を配ることと、
ホームページを作ること、を目標に活動することにしました。

そして、ホームページが完成。
いよいよボーナスの時期になりました。


【5】開業してから

ボーナスを利用し、自宅を事務所として、東京都行政書士会に登録を申請。
めでたく、平成12年8月1日に行政書士として開業しました。
しかし。。。
仕事の依頼は全くありません。
ホームページからはちらほらと相談のメールは来るものの、契約には至らず。
正直な話、これじゃあ会社は当分やめられないなあと思っていました。

9月のある日、事務所に電話がかかってきました。
大田区の行政書士の先生からで、仕事を手伝って欲しい、といわれたのです。
実務の経験もできるし、行政書士の仕事を見るチャンスになる!と
すぐに「やります!」と返事をしました。
しばらくはその先生の事務所に毎日通い、お手伝いするようになりました。
3ヶ月くらいすると、もう毎日来なくていいから外注で仕事をしてくれ
といわれ、その先生の事務所に来た仕事を下請でやらせてもらえるようになりました。

ちょうどその頃ホームページからも初の依頼があり、なんとか自分だけの力で
仕事を完遂することができ、自信がつきました。
1つの仕事を終わらせたという充実感をはじめて味わった瞬間でした。

この充実感、満足感を味わうことができ、さらにお客様にも感謝してもらえる、
そしてお金ももらえる、行政書士は最高にいい仕事だなあと思います。
この仕事の喜びを知ってからは、仕事が本当に楽しくなり、
仕事が軌道に乗ってきたという感じです。


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大江亜里朱alice@ohe-net.com